0.本記事の要約
10秒で読む本記事。
1. 通貨の価値は歴史的に必ず下がり、買う力は失われ続ける。
2. 労働だけではインフレに勝てず、投資はもはや必須の防衛手段。
3. 高齢者優遇制度により、現役世代は搾取されている。
4. インフレは既得権を静かに是正する“穏やかな革命”となりうる。
5. 個人は通貨・制度・働き方の分散で自衛すべきである。
以上です。
以下、詳細。
1.買う力が失われることは避けられない。
THE CHANGING WORLD ORDER
レイダリオはこう言っています。
・1700年以降に存在した750の通貨で残っているのはわずか20%。
それもすべて切り下げられている
・1850年、ドルポンドスイスフランはあった当時最も重要だった通貨は死滅
両、小判
・通貨は永遠に存在し保有するのに最も安全な資産と考えがちだが、
それは真実ではない。すべての通貨は下がるか、消滅する。
・債務負担を軽減させる、あるいは無くしてしまうにはもっとも手っ取り早いから。
・貨幣増発はもっとも手軽で、世間から理解されない、大掛かりな債務再編の方法だ。
裕福になったように見えるから。
・国家の衰退期の特徴 国家は貨幣増発を選ぶ→インフレ率の上昇を招く
・左派、右派の過激派が登場する、左派は再分配を求め、右派は富の保持に傾く
つまり、通貨の価値は歴史上例外なく低減するということです。
ドル、日本円の状況
米ドル(アメリカ)
過去の平均インフレ率は、「過去25年の平均インフレ率はおよそ2.5%」
日本円(日本)
平均インフレ率は、1960~2024年ベースでおよそ3.0%/年
これをもとに、今後10年、30年、50年を推測すると以下のようになります。
米ドル:1ドルの購買力
・10年後:$0.78
・20年後:$0.61
・50年後:$0.29
日本円:1億円の購買力
・10年後:約7,440万円
・20年後:約5,540万円
・50年後:約2,180万円
私たちの買う力は、確実に失われています。
2.もはや必須な投資活動とその阻害要因
投資はもはや義務レベル。
数年前だったか、「投資は貯金」とポストしたアカウントがリスク厨に
叩かれていたことがありましたが、正しいです。
貯金も投資先の一つであることを理解して、かつ、負けることが確定している投資と
認識することが大切です。
今の富を維持するだけで運用利回り年3%はインフレに抗う上でもはや最低ライン。
3%未満は生きていく上での手数料とも思えるこの過去実績や今後の予測からすると、
投資しないなんてむしろ狂気の沙汰と感じます。
2025年8月、日経平均株価は過去最高に達しましたが、それを受けた
街頭インタビューで、ある意味いつも通り、
「まったく実感がないですね」
「国民への恩恵がない状況です」
とか何とか、それで国民の共感を得ようとしているのか、
それとも、そういう人をみんなで笑いましょう、というメッセージなのか。
マジレスしてしまいますが、実感無いのは投資していないから。
何も行動しなければ何も得るものはありません、
当たり前のことを何を言ってるんですか?と。
投資は資本主義社会で生きていくうえで常識であることを義務教育で
学びたいところです。
おそらく、そういう人が、
年金が少ない(ぎゃおおおおん、だの
医療費自己負担3割になったら困る、殺す気か!(ぎゃおおおん、だの
現役や将来世代を奴隷のように扱う言動するようになるのでしょう。
今これを書いていてつながりました。
なんだ、単純に、そして、圧倒的に準備不足なだけじゃないですか。
投資が必要なインフレ以外の理由。
投資の必要性を訴えたところで、インフレ以外にもう一つ
日本特有の投資をしないといけない理由、同時に投資において重要な要素である
入金力を削ぐポイントを書いておきます。
それは超高齢化社会による現役世代への税金負荷のさらなる上昇です。
実際にインフレで何もしないでも通貨の価値が下がる一方、
それを追い打ちするかのようにサラリーマンの手取りはこの20年間で10%減少。
20年間で587万円→536万円 -9%
インフレの流れで手取り給料も少しは増えていいんじゃないですか?
とごくごく普通の人であれば思うでしょう。
逆です。意味不明。
社会保険料や介護保険料の増額といった、あり得ない額の老人への仕送り?上納金?
で手取りはむしろ減りました。
国防費の4倍って老人は国より大事なのか?
国があっての国民じゃないのか?
(内訳)年金関係費;約11~12兆円、医療関係費(約12~13兆円)
んで、これを維持するために国民負担率50%。
現役世代が減って老人が増える中、今の社会保障を維持しようとするのだから
当たり前と言えば当たり前かもしれない。
インフレ年間3%に追い付くためには、毎年の給料が6%上がらないといけないことに。
奇跡的に6%上がってようやくトントン。
労働のみでインフレに追い付くことはほぼ不可能。
大半の労働者はインフレ負けして、貧しくなる一方。
言わば、現役世代は搾取されている。
金はもちろん、その金を稼ぐためにかけた時間も同時に搾取されています。
そんな状況も相まって、投資はもはや必須です。
金儲けというより、投資して初めて現状維持ができます。
3.投資して生きていく時に阻む課題と対策
搾取される現役世代
投資は入金力が大切です。
100万円があれば1%のリスクで1万円手に入れられますが、
1万円しかない時に同じ1万円を得ようとすると100%の利回り、
ギャンブルをしないといけなくなります。
そうした大切な入金力を少しでも大きくして投資に回していかないと
生きていけない中、それを阻むのが現状の高齢者優遇制度。
老人は全体に見ると、各世代と比較し金を持っているのにも関わらず、
もはや搾取と言って良いレベルで現役から金を取ります。
①社会保障の負担が重すぎる
・年金:現役が納める保険料 → 高齢者へ支給
・医療:75歳以上の医療費の自己負担1割 → 現役が財源補填
・介護:介護保険料の負担増
現役世代は「支払う側」中心、高齢世代は「受け取る側」中心という構造。
②年金制度が破綻しないが不公平
・高齢世代:少ない負担 → 高い給付
・現役世代:多くの負担 → 給付は減少(開始年齢も遅く)
③政策・選挙が高齢者寄り
・日本の有権者の約半分が50歳以上(2024年時点)
・高齢者優遇の政策(医療・年金・補助金)が通りやすい
人口構造が「票田の歪み」を生み、不公平な分配が起きやすい
(余談)老人の言い訳
この状況に対して、あるある言い訳パターンが3つあります。
パターン①
個人のせいではなく制度設計の問題
→その制度を作った政党に投票してきた国民にも原因はないのでしょうか?
結局、自分が手に入れられるお金が減るのが嫌だから、人口減少を無視した
現状の制度設計に触れようとしてこなかったのは人口の多くを占める
老人なのではないでしょうか?
自分が良ければ良いとして、問題に関心を持ってこなかった罪。
パターン②
社会を支えてきた/我々も払ってきた
→人として社会で生きていく以上、社会を支えるのは義務で当たり前です。
それを言うと現役世代も今、未来を支えています。
自分が現役の頃に社会を支えた/払ってきたからと言って、現役世代に過度の負担を
かけることをよしとすることは恥ずかしくないですか?
そもそも、今の減益と比較して、全然払っていないし。
未来世代から過剰なリターンを得ているのが今の老人です。
パターン③
お前も老人になる
一番ひどい。ほんと自分しか見えていない。計画性もない。
老人になることが分かっているからお金準備します。
老人になることが分かっているから将来世代の負担を無視する
恥ずかしくて敬う要素0な老害になりたくない。
老人優遇打破して働く者ファーストにするために何を求めるか。
制度改革のキーワードは
・世代間公正
・持続可能性
・透明性
として、これらをベースに、
・「世代ごとの損得」ではなく、
・「将来世代を含めた社会全体にとっての最適解」
を目指す必要があると考えます。
具体的には、
・年金の賦課方式中止。「現役世代 → 高齢世代」へ直接仕送りする仕組み
・高所得高齢者の自己負担引き上げ(1→3割)
・高齢者控除の見直し(遺族年金・老年者控除の縮小)
など
しかし。
分かりやすい形で痛みを伴う対策は我々には実現できないでしょう。
私たちには本来の正しい民主主義で方針を決めることはもはや無理と思うからです。
民主主義は、「責任なき多数」が未来を壊す可能性があり、
今の日本において、将来に責任を持たない圧倒的多数の老人が票の多くを握っているからです。
(余談)本来の正しい民主主義
・民主主義の前提は国民が成熟した判断をすることができることです。(国家の品格より)
・「民主主義は制度ではなく、文化である」(by サミュエル・ハンチントン)
・バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないことだ。何故ならバカだから
・集合知を実現するときは一定以上の能力を持つもの同士で話し合うこと。
それが無理な場合は優秀なものの判断に任せること。
・集団で優れた意思決定をするための条件
・人種、民族、国籍、宗教、性別、性的指向などが異なるメンバーを集める多様性と、
その全員が一定以上の能力を持っていること
・無知な投票者が減れば、それだけ民主的な決定に近づく。
・賢い人ほど物事を多面的に見て、他人の考えや事実が正しい可能性も探る。
必然的に馬鹿に寄り添うことになる。
(バカと無知 橘玲)
つまり、民主主義は みんなが正しい判断をすることを前提にしているが、
・多くの人が事実や数字を理解せず、
・短期的利益で判断し、
・声の大きいポピュリズムに流される
こうした現実では、制度の形だけが残って中身が機能不全に陥ります。
結果として、「責任なき多数」が未来を壊す可能性があります。
真に期待すること。老人世代から静かに取り返すインフレ。
そこでインフレです。
インフレは唯一、痛みなく制度を是正できる現実的な手段と考えます。
これは合理的で現実的な提案ではないでしょうか。
インフレの効用①:既得権を見えない形で目減りさせる
・年金の実質価値が下がる(インフレが4%でも給付が2%増なら差し引きで減額)
・過去に蓄えた預貯金の価値も下がる
・高齢者に偏った「現金給付中心の制度」が実質的に縮小する
→可視化されにくく、政治的反発が小さい
インフレの効用②:現役世代・企業活動が有利に
・給料は徐々に上がる(名目ベース)
・借金(ローン・政府債務)の実質負担が軽くなる
・働いている人が相対的に「通貨価値減の影響を回避しやすい」
→働く人・リスクを取る人が報われる構造に近づく
インフレの効用③:制度改革を時間で解決できる
・年金改革など、法的にできなくても実質改革が可能
・社会保険料も、名目維持・実質減額という「ソフトランディング」ができる
・世代間の「明確な対立構造」が表面化せずに緩やかに是正される
このようなインフレは民主主義が抱える制度的ジレンマを突破する穏やかな革命になりえます。
サイレント増税が得意な国はもっと真剣にこれを進めるのが良いと思います。
痛みを可視化せずに、制度のバランスを変える唯一の現実解。
・高齢者の既得権を減らし
・若者・働く世代の相対価値を上げる
・借金の価値を目減りさせる
・財政再建の隠れた手段にもなる
4.インフレを一気に加速させるために、みんな大好き消費税減税!
もういっそのこと、国債発行してインフレ進めてしまう方がいいのではないか。
減税して減った税収は国債で賄えばいいじゃないという意見もあるようですが、いやいや普通に考えてもしそれが正しければどの国もそうするでしょう。使いたいだけ使えてしまう、お金がお金の意味をなさなくなることはほんの少し先を考えてみれば
小学生でもわかりそうなものです。
でもここは、その意見に乗っかってしまうのがむしろ好都合なのでは?と思ったりもします。
前提:国の支出は変えず、歳入(消費税)だけ減らす
つまり…
・歳出:変わらず(社会保障、防衛費、地方交付金など)
・歳入:減る(消費税減税 → 税収減)
結果 → 財政赤字が拡大する
インフレへの経路:主に2つのルート
1. 財政赤字 → 国債発行 → マネー供給増 → インフレ圧力
・消費税収(約22兆円)を減らしても支出を変えなければ、
→ その差額を国債で補うことになる
・国債を日銀が直接 or 間接的に引き受け続ければ
→ マネーが市場に供給され、通貨の実質価値が低下
→ インフレが進む可能性
特に「信認低下」や「円安」が起きると、輸入物価の上昇を通じて加速
補足:民主主義の弱点が露呈するポイント
・支出を減らす(痛みを伴う改革)には反対が集まりやすい
・減税・給付は支持されやすい
・よって「耳あたりのいい主張に票が集まり、国家が衰退する」構造になりやすい
これはまさに腐った民主主義による「ポピュリズムによる財政崩壊の始まり」。
ただ、それくらいしないともはや合理的な手法を今の民主主義では取れないし、強行策を取らない限り、今の老人優遇、現役の搾取制度は変わらないと思います。
5.「ポピュリズムによる財政崩壊の始まり」にどう抗うか。
改革するなら、穏やかであろうが痛みを伴うのは覚悟するしかありません。
なので、代替財源なし、支出削減なしの消費税減税を進めて一気にインフレを
加速させることもやむなしです。
その代わり、何かしら個人でできる対策は立てておきたいものです。
これが、現代日本を生き抜く最強の戦略かと。
個人でできる対策
「財政破綻 → 円安・高インフレ・年金制度の機能不全」が現実化した場合に備え、
3層構造で対策をまとめます。
第1層:通貨・資産の価値を守る(=通貨の崩壊対策)
分類 対策内容
・通貨分散 円だけに依存しない → 米ドル、ユーロ、金、BTC等の資産への変換
・資産分散 株式(S&P500)、外貨建てMMF、金(コモディティ)、
インフレ連動債などを保有
・実物保有 不動産(住宅用 or 小規模投資)、資源関連株などのインフレ連動性が
高い資産
円の信用が失われるとき、「円建て資産」は一斉に価値を失う
第2層:制度崩壊・増税リスクへの備え(=国家に搾取されない)
分類 対策内容
・課税回避 iDeCo/NISA(特に成長投資枠)を使い、合法的に税負担を下げる
・資産の国外分散 外国証券口座、海外ETF(VT、VTI、GLD)等を通じた国境を
超えた資産保護
・将来増税対策 不動産や法人を通じた「所得分散/繰延べ」「相続税・贈与税対策」
も長期的には検討の余地
「財政悪化 → 増税 → 資産没収」という歴史的シナリオ(例:戦時国債の無価値化)に備える
第3層:働く力と逃げる力をつける(=自己決定できる自由の確保)
分類 対策内容
・スキル強化 AI時代に通用するIT・金融・英語・戦略的思考などのスキルアップ
・地域・国の選択肢 「国内に限らずどこでも暮らせる」=地理的・制度的な自由を
持つ
・所属からの自立 会社や国に依存しない「複数の収入源」or「個人で稼げる力」
を持つ(副業・自営業・投資収益)
逃げる力 ≒ 主体的に制度から外れる自由を得ること
私はどうするか
・(継続)円をドルに換える
・(継続)S&P500購入
・(継続)区分マンション2室維持
→追加もローンが組めるようになり次第検討
・(継続)カードローンすら有効活用
・(新規)金も現物購入
あまり今とやることは変わらなさそうですが、
より円の価値がなくなることを意識して、借金、実物資産を意識していこうと
考えています。
ここまで読んでいただいた方の次の行動に少しでも参考になれば嬉しいです。